北海道や雪国ではBESSの家の仕様がちょっと違います。家だけならまだしも肝心の薪ストーブにかなり制約があって、モデルを検討する上で困ったので備忘録を。
寒冷地でのBESSの家
こんにちは、北海道・札幌近郊在住のVidiaです。BESSの家+薪ストーブのあまりの暖かさに、これにしよう!と決めました。
モデルを検討していく上でどうしても逃げられないのが、寒冷地特有の仕様や値段の違いでした。
北海道では、冬の気温は−20度を下回ることもあります。雪の量は多いところでは積雪(総量)150cmを見込んでおかなければなりません。
そんな特殊な気候と積雪の事情から、BESSの家を建てる際には、あらかじめ決められた寒冷地仕様になります。
ここで考えなければならないのは、値段と薪ストの置き場所の話です。
寒冷地仕様の価格について
寒い地域では、家の価格も単純に高くなります。
北海道は「地域A(寒冷地仕様)」
LOGWAYの看板に掲載されている仕様・価格の表示や、営業さんからもらえるBESSの家の値段表を見ると書いてあるのが「地域A」などの地域表示。
北海道は寒冷地の中でも最も厳しいクラスの「地域A」になります。
ちなみに、寒冷地ほどAに近く、暖かい地域ほどFに近い。九州の一部は確か「地域FF」でした。(実はLOGWAY熊本を見に行ったことがあるのです)
BESS公式サイトで掲示されている価格は「地域E」にあたります。
地域によって値段が違う
この地域のカテゴリによって、値段がかなり違ってきます。
メジャーなところで、ワンダーデバイスのフランク7だと公式サイトの価格<地域E>は約2110万円(税込・標準価格)ですが、北海道の<地域A>だとここからざっと200万くらい高くなります。
G-LOGなつで見ると、<地域FF>で約2200万円(税込・標準価格)のG-LOG「アオジ」モデルは、<地域A>の北海道だとやはり200万円ほど高くなります。
※2021年モデルでの値段です(ウッドショック諸々で前年より値上がりしたらしい)
地盤凍結・積雪対応等も込み
正直めちゃめちゃ高いですよね。北海道価格。
私は九州出身なので、家だけでこんなにお金の差が出てくるのかと思います。これに、さらに暖房費もかかるというのに。
でもBESSの家の寒冷地仕様は、ランクによって違いはありますが、積雪対応、総基礎高、地盤凍結などが考慮された価格が既に含まれているので、その点では安心です。
建設地設定条件<地域A>:積雪150cm、総基礎高120cm、地盤凍結80cm、省エネ地域区分1・2
(素人なので、この項目については詳しくはわかりません)
ドアや窓も、寒冷地モデルなら標準で断熱仕様のものになっています。寒冷地モデルで標準、というのも不思議な言い方ですが、地域Aの価格に含まれてるということです。
薪ストーブと煙突の制約
寒冷地仕様は、値段や断熱建具のほかにも実は制約があります。
それが、薪ストーブの設置位置と煙突に関する制約。
うちがまだモデルを検討している時期に、建てたばかりのBESSユーザ様のお宅訪問をさせていただいく機会がありました。そこで建主さんが開口一番に言われたのが、
「薪ストーブの位置は確認しておいたほうがいいですよ!」
とのこと。
最初は意味がイマイチわからなかったのですが、どうやらどこにでも置けるわけじゃないと言うこと。
煙突がほぼ曲げられない
一番がコレだと思います。
薪ストーブの煙突は、曲げることによってその部分の内部に煤が溜まりやすくなってしまうそうです。常時つけっぱなしのヘビーユースをする寒冷地において、煙突につく煤は死活問題。
一冬の間、何ヶ月も、大量の薪を焚きっぱなしにすることが一般的ですからね。本州にありがちなファッション薪ストとは訳が違います。
安全性のために、煙突は大きくは曲げられない、曲げても少し向きを変える程度なんだそうです。(少し上に貼った写真のレベルならOK)
コレはおそらくBESSモデルの決めた縛りで、民間の薪ストーブ屋さんに行くとがっつり曲げて設置してあったりもしました。(自分で見にいきました)
BESSの家では、標準の薪ストーブを使った上での事故には「薪ストーブ賠償責任保険」がついています。それもあってか、事故ができるだけ起こらないような縛りがつけられているのでしょう。
ワンデバの薪スト位置が限られる
全国のLOGWAYの写真やBESSの公式カタログを見ると、ワンデバの階段下に置かれた薪ストーブの煙突が90度曲がって、壁の外に出ていたりしますよね。なんと、アレが寒冷地仕様ではできないらしいです。
G-LOGなどのログハウスモデルでは、吹き抜けに置かれた薪ストの煙突はそのまま屋根まで伸びていることが多いので、あまり問題にはならないかと思います。
ワンダーデバイスの、特にフランクとボイドは置く場所を考えたほうがよさそうです。
階段下でも煙突をちょこっとまげて屋根まで伸ばせば、設置できるようでした。
ただそうすると、熱された煙突が手すりのすぐ横を通ることになるので、子供やペットがいるおうちだと考えものですね・・・。
他には、2Fの床をぶち抜いて煙突を通すこともできます。やっぱり子供の安全が気になります。1Fだけでなく2Fにもガードをしなければならないのか、と・・・。
薪ストと薪運搬の導線
薪ストーブとかならずセットになるのが、室内と室外の薪置き場。
よくあるのは、戸口のすぐ外においておいた薪置き場から、室内に薪を運んでくると言う動作だと思います。
寒冷地では薪ストヘビーユースなので、ほぼ毎日、室外から室内への薪補充をやることになるそうです。
そのときに薪ストーブ置き場が入り口や搬入口から遠いと、薪運搬の導線が屑で散らかるんだとか。
日々のことなので、この辺はよく考えないとストレスになりそうですね。薪って泥とか虫とかついてますし。
薪ストーブ置き場をどこにするのか、煙突が曲げられない制約の中で考えないといけません。
寒冷地仕様の薪スト、難しい
あくまでBESSの家に限定した話ですが、薪ストの配置がめちゃくちゃ難しい。
薪ストの位置だけを考えたら、標準でもしっくりくるのはG-LOGかCOUNTRY LOGになります。さすがはログハウス。
ワンデバの薪ストだと、フランクよりファントムがしっくりくるんですよね。
いろいろあって、うちがファントムにしたのもこの辺の理由が大きかったです。
逆に、特に難しかったのがワンダーボイド。
北海道や寒冷地でのBESSの家検討をされている方にとって、できるだけ早いうちに参考になれば幸いです。後半に気づくと色々とキツそうなので。
ワンデバと薪ストでBESSに決めた主婦。家族構成は夫、私、娘ひとり、猫1匹。40代。元都会派のインドア系アウトドア派(雰囲気だけのにわか)。好きなことは焼肉。